株式投資をしていると、ときどき耳にする「TOPIX」。
ニュースで見かけることはあっても、どんな指数なのか、詳しくは知らないという方もいるのではないでしょうか。
そんなTOPIXが、2026年10月から新しいルールによる銘柄の見直しを始めます。
2026年10月7日には、初回の定期入替の結果が公表されました。
新しく採用される銘柄がある一方で、今まで採用されていた銘柄の一部は、指数に占める割合が段階的に引き下げられます。
「どんな企業が新しく採用されるの?」
「持っている投資信託や個別株にも影響するの?」
今回は、そんな疑問を解消するために、TOPIXの変更点と個人投資家への影響をまとめました。
TOPIXとは?
TOPIXとは、「東証株価指数」のことです。
東京証券取引所に上場する日本企業の株価動向を広く反映する指数で、日本株市場全体の動きを知るための目安として使われています。
よく比較される指数に「日経平均株価」があります。
日経平均株価は225銘柄を対象にしていますが、TOPIXはより幅広い銘柄を対象にしているのが特徴です。
また、TOPIXは企業の時価総額を基に計算されます。ただし、企業が保有する株式をすべて同じように扱うのではなく、市場で流通している株式を重視しています。
そのため、組み入れられている企業の株価や構成銘柄の比率が変わると、TOPIXの値動きにも影響します。
TOPIXに連動する投資信託やETFもあるため、日本株に投資している方にとって知っておきたい指数のひとつです。
2026年10月からTOPIXはどう変わる?

今回の見直しは、東京証券取引所の市場区分が2022年に再編されたことをきっかけに進められてきたものです。
2025年1月末までに第1段階の見直しが完了し、2026年10月からは第2段階の見直しが始まります。
大きな変更点は、次の3つです。
1.3つの市場から銘柄を選ぶ
新しいTOPIXでは、次の3市場を対象に銘柄を選びます。
- プライム市場
- スタンダード市場
- グロース市場
これまではプライム市場に上場する銘柄が中心でしたが、今後はスタンダード市場やグロース市場の企業も対象になります。
ただし、3市場に上場していれば、すべてTOPIXに採用されるわけではありません。
銘柄を選ぶ際には、株式の売買状況などの基準が設けられています。
2.株式の売買が活発かどうかを重視する
新しいTOPIXでは、株式の売買がどれだけ活発に行われているかを重視します。
このような株式の売買のしやすさを「流動性」といいます。
例えば、企業の規模が大きくても、株式の売買が少なければ、投資したいときに売買しにくいことがあります。
今回の見直しでは、売買の活発さに加えて、市場で流通している株式を基にした時価総額も選定基準になります。
少し難しく感じるかもしれませんが、「幅広い企業を対象にしながら、売買の状況も考慮して銘柄を選ぶ」と覚えておけばよいでしょう。
3.定期的に銘柄を入れ替える
今回の見直しでは、TOPIXの構成銘柄を定期的に見直す仕組みが導入されます。
初回の定期入替は2026年10月30日、2回目は2028年10月に予定されています。
今回の初回定期入替では、新規採用される銘柄がある一方、継続採用の基準を満たさなかった銘柄には移行措置が設けられました。
すぐに指数から一度に外すのではなく、段階的に組入比率を引き下げることで、市場への影響を抑える仕組みです。
では、実際にどんな企業が採用され、どんな企業が移行措置の対象になったのでしょうか。
新しくTOPIXに採用される銘柄5選
2026年10月7日に公表された初回定期入替の結果では、35銘柄が新たに採用されます。
ここでは、その中から5社を紹介します。
| 銘柄コード | 企業名 | どんな企業? |
|---|---|---|
| 1723 | 日本電技 | ビルや工場の空調などを自動制御するシステムを手がける |
| 1965 | テクノ菱和 | 空調・衛生設備の設計や施工を手がける |
| 2160 | ジーエヌアイグループ | 医薬品や医療機器の開発などを手がける |
| 2702 | 日本マクドナルドホールディングス | マクドナルドの店舗を展開する |
| 2782 | セリア | 100円ショップ「Seria」を展開する |
※銘柄の事業内容は概要です。採用銘柄の一覧は、JPXの公式発表をご確認ください。
日本マクドナルドやセリアは、普段の生活でもなじみのある企業ですね。
一方、日本電技やテクノ菱和のように、建物や工場を支える設備関連の企業も採用されています。
このように、新しく採用される銘柄にはさまざまな業種の企業があります。
ただし、TOPIXに採用されたからといって、必ず株価が上がるわけではありません。
採用されたという事実と、企業への投資価値は分けて考えることが大切です。
移行措置の対象になった銘柄5選
今回の見直しでは、継続採用されない銘柄として、683銘柄が移行措置の対象になりました。
こちらも、具体的な企業を5社紹介します。
| 銘柄コード | 企業名 |
|---|---|
| 1301 | 極洋 |
| 1419 | タマホーム |
| 1663 | K&Oエナジーグループ |
| 2168 | パソナグループ |
| 3093 | トレジャー・ファクトリー |
※JPXの初回定期入替の公表資料に基づく例です。
ここで注意したいのは、これらの企業が2026年10月にすぐTOPIXから除外されるわけではないということです。
移行措置の対象となった銘柄は、2026年10月30日から指数に占める割合が段階的に引き下げられます。
その後、2027年10月に再評価が行われ、継続基準を満たした銘柄は、段階的な引き下げが停止される予定です。
基準を満たさない場合は引き下げが続き、移行措置のスケジュールに沿って2028年7月末に除外される予定です。
つまり、今回の発表は「すぐにTOPIXから外れる企業の一覧」というわけではありません。
新規採用される銘柄と、移行措置の対象になる銘柄を区別して理解しておきましょう。
TOPIXの構成銘柄が変わると、投資信託はどうなる?
TOPIXに連動する投資信託やETFを持っている場合、今回の見直しは関係があるのでしょうか。
結論からいうと、影響があります。
TOPIXに連動することを目指す投資信託やETFは、指数の構成銘柄や組入比率に合わせて運用します。
そのため、TOPIXの構成銘柄が変わると、投資信託などが保有する銘柄や、その割合も変わることになります。
例えば、新しくTOPIXに採用された銘柄は、指数に連動する運用資産から買われる可能性があります。
反対に、移行措置の対象となった銘柄は、指数に占める割合が段階的に引き下げられるため、運用資産側でも保有割合を調整することが考えられます。
ただし、実際の売買は運用方針や移行スケジュールによって異なります。
また、採用されたから株価が必ず上がる、移行措置の対象になったから必ず下がる、というわけでもありません。
TOPIX連動型の商品を持っている場合は、今回の見直しによって指数の構成が変わることを知っておくといいと思います。
個別株を持っている場合は?
では、個別株に投資している場合はどうでしょうか。
TOPIXに新しく採用されると、指数に連動する資金の買い需要が発生する可能性があります。
一方、移行措置の対象になると、指数に連動する資金の売り需要が段階的に発生する可能性があります。
こうした売買が株価に影響することはありますが、株価の動きはそれだけで決まるものではありません。
企業の業績や今後の成長性、配当方針、市場全体の動向など、さまざまな要因が関係しています。
そのため、保有している株がTOPIXに採用されるかどうかだけで、売買を判断する必要はありません。
私自身も個別株を選ぶときは、配当や業績など、自分が大切にしたい条件を確認するようにしています。
指数の変更もひとつの情報として知っておきながら、企業そのものについて考えることが大切ですね。
私たち個人投資家は何をすればいい?
今回のTOPIXの見直しを知って、投資信託を買い替えたほうがよいのか、持っている個別株を売ったほうがよいのか、気になる方もいるかもしれません。
でも、構成銘柄が変わるからといって、慌てて投資方針を変える必要はありません。
大切なのは、自分が何のために投資しているのかを確認することです。
例えば、日本株全体に幅広く投資したいなら、TOPIX連動型の投資信託やETFは選択肢のひとつになります。
一方、世界全体に分散投資したいなら、全世界株式型の投資信託なども選択肢になります。
また、すでに日本株の個別株をいくつか持っている場合は、TOPIX連動型の商品を追加すると、日本株への投資割合が高くなることもあります。
新しい商品を購入する前に、今の資産配分を確認してみるのもよいですね。
制度や市場の仕組みを知ることは大切ですが、すべての変更に合わせて売買する必要はありません。
自分の投資方針に合っているかを考えながら、できることから少しずつ取り組んでいきたいと思います。
まとめ|TOPIXの見直しを知っておこう
2026年10月から始まるTOPIXの第2段階の見直しでは、主に次の変更があります。
- プライム・スタンダード・グロースの3市場を対象に銘柄を選定する
- 株式の売買の活発さなどを重視する
- 定期的に構成銘柄を入れ替える
- 継続採用されない銘柄には、段階的に組入比率を引き下げる移行措置を設ける
今回の初回定期入替では、新たに35銘柄が採用され、683銘柄が移行措置の対象になりました。
TOPIXの見直しは、投資信託やETF、個別株の値動きにも関係する可能性があります。
ただし、構成銘柄に採用されたかどうかだけで、株価の上昇・下落が決まるわけではありません。
大切なのは、制度の変更を知ったうえで、自分の投資方針や資産配分を確認すること。
これからも、気になる制度や市場の変化を少しずつ学びながら、自分に合った方法で資産形成を続けていきたいですね。
※この記事は制度の解説を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。最新情報は日本取引所グループの公式資料をご確認ください。
参考資料
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